2026年2月1日日曜日

2026-1-31講演会「未来を担う仲間を育てる 新たなコミュニティ運営の挑戦」

 令和7年度 東区役所・東区自治組織会長会 合同研修会

演題:「未来を担う仲間を育てる 新たなコミュニティ運営の挑戦」
講師:水津 陽子 氏(合同会社フォーティR&C 代表/地域活性化・まちづくりコンサルタント)


0. いきなり結論(ここが講演の芯)

自治会は、もう「加入してもらうこと」をゴールにしない。
これからは、参加の入口を増やし、関係を切らさない=「関係人口」を増やす運営へ。

言い換えるとこうです。

「入る/入らない」より先に、
つながる/参加する/ちょっと手伝う を増やす。


1. なぜ自治会は“選ばれにくく”なったのか(要点3つ)

① 何をしているか知られていない(認知不足)

「自治会が何をしているか分からない」人が増え、
“入って当たり前”ではなくなった。

② “行政の依頼をこなす場所”に見えてしまう

本来は住民自治の組織なのに、
実態が「やらされ仕事」「役の押し付け」に見えると、距離ができる。

③ 役が重い/時間がない社会になった

高齢者も働く、女性の就業率も上がる。
昭和型(時間を出せる人前提)の運営は限界が来ている。


2. “令和型”コミュニティ運営:キーワードはこの4つ

(1) 加入より「参加の入口」

まずは参加。加入は後からついてくる。

(2) できる人が、できる時に、できることを(=小さく分ける)

  • 30分だけ
  • 当日受付だけ
  • 写真係だけ
  • 在宅で文面づくりだけ
    …みたいに「役割を細かく切る」。

(3) “お客さん”を作らない(参加型へ)

イベントが「世話役」と「お客さん」に分かれると、地域の関係は育たない。
本当の目的は 顔の見える関係づくり

(4) 抱え込まない(外の力も使う)

どうしても嫌われる役割は、有償化・外部委託も含めて現実的に検討する。


3. 具体策:人が入りやすくなる“入口”の例

講演で出てきた入口アイデアを、目的別に整理するとこう。

A. 「地域デビュー」入口(つながりがない人を迎える)

  • コミュニティカフェ
  • 健康チェック・フレイル体操
  • 趣味サロン
  • 子育てサロン

B. 多様な住民との関係づくり(マンション・外国人など)

  • まず“知り合う場”を作る
  • 「食」やイベントブース等をきっかけに交流する
  • 外国人住民が多い地域では、通訳・翻訳などで役割を持ってもらう例もある

4. デジタル活用:大事なのは“双方向”より“設計”

啓治さんの地区の「安心メール(発信専用)」に近い考え方が講演でも語られていました。

  • 基本は一方通行でOK(自由に発言させると疲弊・炎上しやすい)
  • ただし意見が必要なときは、返信で受けない
    → アンケート機能等で回収が現実的
  • 災害時は、情報共有(浸水状況など)に活かす例がある

つまり、デジタルは「導入」より運用ルールが9割


5. 担い手育成の肝:子ども・学生を“未来の仲間”として見る

ここ、講演のタイトル回収ポイントです。

  • 子ども・学生を「参加者(お客さん)」のままにしない
  • 小さなボランティアから関わってもらう
  • 成功体験(ありがとう、助かった)が積み上がると「もっとやりたい」が芽生える
    → 結果として、将来の担い手が育つ

6. 重要メッセージ(講演の背中押し)

自治会には「法律でこれをやりなさい」と決まっているものは基本ない。
だからこそ、

  • みんなで大切だと思うことに集中する
  • 負担が重いものは、やめる/縮小する/やり方を変える
    この判断を、住民自治としてしてよい。